丸の内で働く産廃マンのブログ|産廃WEB|船井総研

丸の内で働く産廃マンこと、株式会社船井総合研究所 廃棄物ビジネスコンサルティンググループ グループマネージャーの貴船です。日常のコンサルティングを通して、そこはかとなく記していきます!

2022年7月19日 4:35 PM

廃棄物処理業の脱炭素経営⑧「廃棄物処理業の脱炭素経営」1

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 これまで、廃棄物処理業の脱炭素経営のポイントを整理してきましたが、根底に時流適応経営があります。一方で、廃棄物処理業が現在直面している課題は、①インフレ対応②労働力不足③二次処理費負担増といったものではないでしょうか。つまり、この直面している時流と今後来るべき時流の2方向で捉える必要があります。①~③を解決しながら、来るべき脱炭素経営に取り組めるかがポイントでもあります。 
  
1.脱炭素経営で儲ける2つの視点 
 脱炭素経営で儲けるには、①マーケティング②コスト削減と2つの視点が必要です。脱炭素市場はルールと規制が目まぐるしく変化し続ける為に情報の整理が必要であり、またGX、技術開発・スピード市場環境の変化はDX同様の高スピード(水素、CCUS等)でもあり、①②ともに必要なものは「情報量」X「質」の乗数となっていきます。その際には、WITHコロナの現在においては過去の常識やルール等当たり前が覆されていきます。脱炭素時代での時流適応のマーケティングとコスト削減が必要な時代へとなり、これまでの常識や当たり前を見直し、これからの時代に備えた「儲け」の仕組みを講じる必要もでてきます。
2.脱炭素マーケティング
(1)顧客が望んでいるもの
 マーケティングにおいては、当然ターゲティングされた顧客について、顕在的及び潜在的に、現在と将来の視点で望んでいるもの、望んでいくものを捉える必要があります。脱炭素において考えていくと、ライフサイクル的には、導入期:一部の環境意識の高い企業からの需要(需要は少ない)⇒成長期:リーディングカンパニーがコストアップしても導入⇒成熟期:脱炭素且つコストダウンされたもの、と進んでいきます。
(2)現在
 顧客の脱炭素への取組も導入期から成長期へとなっております。折しもプライム上場へ移行した1部上場企業はTCFD賛同にて、SCOPE3となるサプライチェーンでの削減検討について考える機会にもなっています。これも時が進めば、スタンダードやグロース企業は勿論、意識の高い企業から取組むものへとなっていくでしょうう。この時が成長期にもなっていくと思います。顧客が今後望んでいくものは、CO2削減となる廃棄物削減と運搬の低減へと繋がっていきます。それ故にビジネスチャンスとして捉えるならば、CN商品やCNサービス開発とともに、地域や業界でのポジショニングをつくること、また、顧客が望む廃棄物のコストダウン提案を実施していく必要があります
(3)廃棄物処理業が取り組む脱炭素マーケティング
①SCOPE3対応
ⅰ)プライム上場顧客
 先の通り、プライム上場顧客では測定と計画に取り組んでいるのですが、まだまだ具体的なものになっていないケースが散見されます。但し各社での温度差も見られ、廃棄物発生量が多い会社とそうでない会社では、当然意識も違います。先ずは顧客へ短期中期的な方向性と取組についてヒアリングを行って頂ければと思います。
ⅱ)脱炭素提案
①SCOPE3対応
 既にSCOPE3の廃棄物におけるCO2削減計画としての数値目標が確定していれば、ご一緒に取り組んで欲しいと思います。これまでも多量排出事業者程、削減には継続的に取り組んできたこともあり、正直ネタ切れと思われている方も多いものです。リサイクルは当たり前となり、リデュースでの取組として取組み、その効果も生まれてきたことと思います。しかし今回は脱炭素視点での廃棄物削減であり、最もシンプルな視点では運搬削減でもあります。また商流の最後まで追いかけていきながら、CO2が発生しない最終までをご一緒に追いかけて欲しいと思います。その際に重要なことは数値化です。恐らく減りますではなく、どれだけCO2が減るのかを具体的になっている必要があります。
 また一方で目指して頂きたいポジションは、顧客にとって環境企業としての位置づけです。情報提供を継続的に続け、脱炭素への相談ならばと問合せが来るほどのポジションを獲得して欲しいと思います。情報発信について営業マンは当たり前ですが、それ以上に会社としての発信の仕組みを持って欲しいと思います。
②顧客への収集運搬脱炭素提案
ⅰ)物流業界で起こっていること
 既に進んでいる物流業界では、脱炭素の取組の中で脱JIT(JUST IN TIME)も議論が進んでいます。世界的にも優れた看板方式ではありますが、一方で物流頻度が増すことも発生しています。これが廃棄物の収集運搬にも波及することも起こりうると思っています。顧客の都合だけでなく、CO2を起点とした効率性への議論がこれから増していくことも予想されます。
ⅱ)頻度と回収方法
 先の通り、究極は運ばないことが脱炭素にもなっていきます。しかしインフレ下の現在、効率化ダウンによるコストアップは到底受け入れられるものではありません。だからこそ、運搬効率向上させることを顧客と一緒に話し合うタイミングになってくると思います。その際に、面倒くさいのは勘弁、今のままで十分とする顧客についてではなく、真剣に取り組もうとする良い顧客と進めて欲しいと思います。
③顧客への処理方法脱炭素提案
ⅰ)再資源化での数値化
 これまで営業マンのクチからは、リサイクルだからとの言い方で終始することも多く、何故リサイクルすべきかまで真の意義まで言及されていなかったことが多く思われます。述べている脱炭素も、安直なCO2削減されます的な言及とならず、またリサイクル=脱炭素では無いことを営業マンが真に理解できていなければなりません。そのうえでの再資源化提案には、CO2排出量比較が具体的に提案できることも大事になっていきます。見積比較となるコスト追求型営業ではなく、真の提案営業が出来るようになって欲しいと思います。提案営業が出来ない廃棄物営業マンは今後、役割が少なくなっていくでしょう
ⅱ)サーマルでの数値化
 サーマル可も同様です。これまで焼却営業では、発電できることで顧客訴求をすることも多くありました。しかし発電だから、サーマルだから脱炭素ではありません。これはRPFでも同様です。RPFだから脱炭素ではなく、他の処理方法と比較してCO2排出量が具体的にどうなるかが重要となっていきます。 

2022年6月24日 7:17 PM

ブログ特別編「廃棄物・資源・浄化槽ビジネス経営研究会」6月例会の振り返りレポート【抜粋】

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前回は4月開催の研究会振り返りレポートでしたが、今回は6月例会についてです。6月は弊社、株式会社船井総合研究所の「第95回経営戦略セミナー 経営研究会全国大会2022(https://conference.funaisoken.co.jp/)」の分科会としての開催となりました。一昨年からリモートでの開催となりましたが、延べ3日間に渡り現役経営者のための現役経営者による戦略提言を目指し、153分科会に分かれて開催されました。今回のテーマ「Re GROWTH -再挑戦-閉塞感を打ち破れ」として、多様なゲスト講師の方々が揃い、5000人を超える会員企業の経営者が一同に会す船井総合研究所を代表する伝統的なイベントとなっております。中堅・中小企業、特に地域で活躍する経営者に主眼を置いて、「時流」と「未来予測」から、向こう3~5年を見越して、中長期の課題解決やテーマをお伝えし、高いモチベーションを抱いていただけることを目指しております。
 それ故に分科会においても時流を踏まえたテーマと提言にて、廃棄物処理業、再生資源業、浄化槽業の皆様に、お届けしてきました。今回のテーマは、脱炭素への取組です。
 インフレ型になっている昨今、脱炭素は自社に遠く感じる廃棄物処理業経営者の方も多いことと存じます。しかし、脱炭素への取組が、その打開策となり、自社の成長戦略についての鍵になっていきます。
 マーケティングとして、時流適応経営は弊社創業者の船井幸雄も多く伝えてきました。いま目の前だけでなく、来るべき時流を見据えて経営と戦略を考える必要があります。中期的に見れば、世界的に脱炭素は避けられない状況であり、導入期から成長期に移行している現在はビジネスチャンスのど真ん中でもあります。今回の例会でもビジネスチャンスの活かし方をお伝えしてきましたが、自社でのスタートするポイントにつきまして、改めてお伝え致します。
 先ずメリットとして、
①脱炭素経営こそ中堅・中小企業のビジネスチャンス
②脱炭素経営は儲からなければいけない
③脱炭素経営が組織を強くする
④脱炭素経営こそマーケティングを意識しなければならない
⑤脱炭素経営こそ地域貢献となる
⑥脱炭素経営が企業ビジョンとなる
となっていきます。
 しかし具体的な取組として、①マーケティング②コスト削減へとなっていきます。その際に時流として押さえていきたいことが、SCOPE3の対応となっていきます。ご承知の通り、プライム上場企業はTCFDへの取組を進め、SCOPE3の削減計画を進めております。そこに廃棄物が存在しております。
 SCOPE3の対応を説明する前に、ここで改めてCO2排出量につきまして、お伝え致します。
 排出量算定には、国際的な温室効果ガス排出量の算定・報告の基準である「温室効果ガスプロトコル(GHGプロトコル)イニシアティブ(The Greenhouse Gas Protocol Initiative)」の中で設けられている排出量の区分となるSCOPE別に算定をしなければなりません。GHGプロトコルは、1998年に世界環境経済人評議会と世界資源研究所によって設立され、事業者、NGO、政府機関といった複数の利害関係者の協力によって作成され、GHG排出量の算定と報告に関する情報元として提供されています。GHGプロトコルでは、1つの企業で排出されたGHG排出量(直接排出)だけではなくサプライチェーン(原材料や部品の調達・製造といった上流の過程から、販売や廃棄などの下流の過程を含めた供給の連鎖)での排出量(間接排出)も重視しており、Scopeという考え方を使用し、Scope1排出量(事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス))+Scope2排出量(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)+Scope3排出量(Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出))をサプライチェーン排出量としています。

出典:環境省 グリーン・バリューチェーンプラットフォーム

 SCOPE3は該当する活動が15のカテゴリに分類されます。
SCOPE3カテゴリー

 こちらの5「事業から出る廃棄物」、12「販売した製品の廃棄」に輸送と処理とのCO2排出量が算定されていくわけです。そうなると廃棄物処理業にとっては、運搬と処理について、如何に脱炭素化すべきかを考える必要が出てきます。収集運搬ならば、当然頻度を減らすことと積載効率、そして遠方への運搬を減らすことが求められていきます。処理も当然、CO2を出さない処理を目指す必要が出てくるわけです。  
 廃棄物処理業も脱炭素の、ど真ん中に入っていく未来が待っております。顧客から求められることを想定していき、自社での取組は進める必要があります。

2022年5月27日 9:41 AM

ブログ特別編「廃棄物・資源・浄化槽ビジネス経営研究会」4月例会の振り返りレポート【抜粋】

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 今回は特別版として4月に開催された、廃棄物・資源・浄化槽ビジネス経営研究会の例会につきまして、振り返りレポートをお届けします。 
 「廃棄物・資源・浄化槽ビジネス経営研究会」は、2006年から開催され17年続く、廃棄物処理業、再生資源業(鉄スクラップ、古紙)、浄化槽業経営者の為の、定期的な勉強会の場となっております。
人口減少に伴い縮小していく市場環境の中で、更なる企業の発展を望む次世代の経営者の方々が入会されており、エリアは全国で規模も中堅・中小と様々となっております
2か月に1回の開催にて東京の弊社丸の内オフィスにて開催されてきました。2020年、2021年は全てリモート開催となりましたが、2022年より、ようやくリアル開催に戻すことができるようになりました。
テーマは毎回異なっており、その時流に合わせた必要な情報を優先しており、戦略面から、運搬や工場の活性化等の現業面、営業やマーケティング面、DXやGX等の活用、組織や採用等の人材マネジメント、事業承継や財務・労務等の経営全般を業界に特化した内容でお届けしています。
ポイントは以下の3つです
1.縮小市場に身を置く企業が更なる発展を遂げるための方法を学ぶ
2.次世代を担う経営者が集まり業界の地位向上を目指す
3.環境に関わるビジネスの最前線の情報を集め、取り入れる

 今回㋃例会は
1.廃棄物市場の最新動向
2.最新採用時流と今取るべき採用戦略
3.最新補助金活用情報
4.ディスカッション「採用改善」
となっております。今回は第一部の「廃棄物市場の最新動向」の抜粋をお届けいたします。

1.廃棄物市場の最新動向
 市場のマクロ数値については、環境省は2022年に発表をした2019年実績を確認している方も多いと思います。御覧になられた方々はご承知の通りですが、正直「この程度か?」と感じたかもしれません。皆さまの記憶にも新しいところで、廃プラの国内還流が発生した当時でもあり、焼却価格も値上がりし始めた時でもありました。一方で逆の見方をすれば、下げ留まりはこの影響でもあり、総量のマイナスは変わらないということかもしれません。一方で数年間減少を続けてきた特管産廃は急増加しており、個別の品目には納得するものの、今後の廃棄物市場を見ていくには減少は当然否めません。そして皆様が一番知りたいのは、この2020年2021年でのコロナ禍の影響ではないでしょうか。これは各処理業者の数値状況から見ていくと、業界環境として経営面ではプラスに働いたことが多くあったと見えてきます。この近年は廃棄物処理業の視点からでは、つまり産廃業が獲得できる産廃の市場では横這い以上の時間であったということです。
 しかし一方将来の産業廃棄物市場で見ると、当社独自の各種データから係数にて導いた結果では今後20年間の減少について、変わらずの数値水準結果となっております。加えて、近年の脱炭素市場加速においては、更なる減少加速も否めないことにもなっていきます。顧客のサプライチェーン変化やゲームチェンジ、そして市場規模としての数値において、物量の減少だけでなく、運搬関連の減少は更に悪化していくことが予想されます。 
 上位企業の経営分析をしていくと更に面白い結果が見えてきました。先ずは商圏の考えにも変化が表れてきております。先ず最低限の売上確保の視点において、廃棄物には発生量としての市場ありきであり、発生面における大商圏立地に存在していることは、戦う為の最低条件となっています。地方部にて一定の上位ポジションを確保している企業では、商圏を大きく拡げ圧倒的なシェアを獲得しています。しかし一方で、当然競争激化となることもあり、収益性をも確保している企業で見ると、それぞれの独自性を持っていることも確かです。上位売上企業を分類していくと、圧倒的に大商圏限定型が強く、且つ関東への集中が目立つ結果となっていました。
 更に分類が幾つかに分かれることが見えてきました。(*企業名はテキスト記載のみ)
A.大商圏限定型:大商圏を主としており、エリア限定しながら展開
B.小商圏拡大商圏型:小商圏を本拠地としながらエリアを他地域に拡大展開(近隣複数県に跨る商圏)
C.大商圏拡大型:大商圏から更に全国的な拡大を目指す
D.地域密着型:一般廃棄物及び収取運搬を主としており、地域密着で安定的な展開
上記に加え、主要顧客分類を総合型、工場型、建設型と分け、また施設種別を焼却、水処理、最終等に分類をしていくと高収益型のモデルが見えてきます。
 更に単体決算だけでなく、グループ企業や大規模資本をバックボーンとしている情報を加えてみたリスト(配布テキストのみ)では、業界関係者の多くが思われた結果となっていると思います。
 特に注目は提携やアライアンスではないでしょうか。この10年程、業界の垣根を越えて、廃棄物と資源大手による合従連衡が続いてきましたが、最近では異業種大手による廃棄物処理業の出資も続いていることです。またインフラファンドの経営参画も続いており、これから数年において業界の地図も変わっていくことが予想されます。そして皆様も幾つか情報が入っている通り、まだまだ設備投資計画を各社(テキスト記載のみ)進めており、これらの稼働によっても収益性や順位も変化をしていくことでしょう。 
 ご承知の通り、売上や収益の限界は施設内容によって定まっており、また商圏の影響が大きい限界でもあります。今後の縮小市場において、そのなかでも勝てる市場に効果的な設備投資を行い、そして集める能力を如何に戦略的に組んでいけるかは大事なポイントになっていくのは間違いありません。

2022年4月26日 10:31 AM

廃棄物処理業の脱炭素経営⑦「ウチの会社には関係ない」の間違い6

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 前回から続く、「ウチの会社には関係ない?」の間違い、についての続きです。
⑥地域に貢献できるのか?の続編で、国内材での木質バイオマス発電の課題についてです。
 国土の2/3が森林(2500万ha)で森林蓄積量は52,4億㎡と30年前から倍増しており、毎年1億㎡増加。人口林(1000万ha)も増加傾向となっております。森を整備する為の伐採した木々等(未利用間伐材)については、木質バイオマスエネルギー材として、木質チップや木質ペレットや薪等の利用が増えているものの、その収集・運搬コストからも林内放置が増えているのが現状となっております。そして未利用間伐材約800万t発生(約2000万㎡相当)中利用率9%程度であり、工場残材約640万t(利用率97%)、建設発生木材(利用率94%)と比べ、大きく下回っています。それ故に、一本の樹から、建材原料等となる製材や集成材、紙の原料となる低資材、ボイラー等の燃料となる木質バイオマス等にて、最後まで使い切る「カスケード利用」が求められています。 
(1)国内材活用の課題
【コスト低減】発電コストの7割を占める燃料コストの低減と、燃料材が重要な収益機会になりつつある林業者の森林経営の安定化を両立し、FIT制度に基づく買取期間終了後の関係者共倒れリスクを回避するために、森林の管理手法の変革が求められています。特に現状、建材向けに最適化されている木材の運搬・加工システムのエネルギー利用向けの最適化や、広葉樹や早生樹の利活用などを含め、どのような取組が考えられるか
【持続可能なバイオマス発電の為の実態把握】木質バイオマス利用を拡大する上で、持続可能性は確保しつつ、どのようにバイオマス燃料のコスト低減・供給量拡大を進めていくべきかを考えていかねばなりません。特に、ライフサイクルGHG排出量の抑制の観点から、チップ・ペレットの加工方法及び輸送距離の影響が大きいことを踏まえ、適正な木材の流通・利用範囲の検証、そして森林から発電所までの実態把握の仕組みが必要となっております 
(2)コスト低減課題 
【林業】林家数林業経営数及び同保有山林面積が2015から2020の5年間だけでも大幅な減少が続いています(林業数は828,972戸から690,047戸、山林面積は5,174,793haから4,590,521ha。経営体では87284が34001と半減以下となり、内訳として森林組合77692が22776、民間事業体4028が2015)。林業(及び林業政策)は、取り扱いが容易で建材など付加価値の高い用途で利用できる針葉樹の育成・管理・利用をメインに展開されています。このため、燃料用に用いられるのは、間伐材や林地残材など、建材用途などに利用できなかった木材の副次的利用が中心となっています。一方、燃料用途の木材が副次的な位置づけ(Ⅽ材 枝等曲がり材等)であるために、建材需要動向に左右され供給量の見通しが立たないこと、針葉樹建材向けに形成された生産・輸送システムが燃料向けには過剰で非効率等の課題があります。こうした背景のもと、特に大規模発電事業者では高くても量が安定する輸入木材を活用するような動きも見られることから、国内で活用可能な森林由来の木質バイオマス資源を如何に安定的に供給するかが課題となっています。
【広葉樹・早生樹(コウヨウザン)の活用等】
広葉樹は、日本の森林蓄積の約3割を占めるながら、搬出の難しさと曲がって育つ性質があることから建材としての利用は不向きでした。しかしその性質を生かして一部の木工製品向けや製紙チップ向けに活用されている現状があります。早生樹は、成長が早く、萌芽更新するものもあることより、地拵/植栽/下刈作業が低減可能となり、育林作業量の減少が期待されています。当初から燃料用途の森(エネルギーの森)を目指し、計画的に広葉樹・早生樹の育成を行った場合、建材価値を高める枝打ちや間伐を行うコストが削減(労務費・育林費・生産費等が2/3)、早成樹は成長が早く出荷までの期間が短くて済む(期間減少分の維持費削減)との効果が見込まれています。林業者にとっては広葉樹・早生樹の商業利用化による新たな収入源の確保収穫サイクル向上による収益向上に寄与し得るなど、林業と発電事業の持続可能な共生の構築も期待されています。
【燃料品質の問題】
燃料品質にばらつきがあると、バイオマス燃焼炉内の温度が安定せず、結果として設備利用率が低下するなどの支障が生じたり、燃料品質を調整するための手間が発生したりといった問題につながります。このため、発電事業者としては品質が安定したバイオマス燃料を調達できることが望ましいが、現状では、バイオマス燃料は、発電所が長期契約により、燃料品質(水分量等)によらず一定の購入価格で取引されている場合が多いものです。木材業者からしても、木材の搬出工程における天日干しによる乾燥や屋根付き保管場所の確保等により、燃料品質を向上させることにより差別化を図れるようになり、林業者の持続可能な経営に貢献できる可能性もある。一方、現状では、燃料品質を統一的に評価する仕組みが存在しないことから、木材業者の努力にも関わらず、市場において適正な評価を受けることが難しいとなっております。
【バイオマス燃料の流通・利用範囲における課題】
木質バイオマス燃料木材を、栽培、加工、輸送等する過程において化石燃料の使用量が大きいと、結果としてライフサイクルでの温室効果ガスの排出が看過できないほど大きくなる可能性も存在しています。また、燃料用途での木材利用が進むことで、既存の木材利用との競合(エネルギー以外の用途での原料需給逼迫)が発生する懸念も存在しています。現状は林野庁ガイドライン「木材・木材製品の合法性、持続可能性証明のためのガイドライン(平成18年2月)」に基づき、サプライチェーン上の由来証明を行っていますが、市場流通量などに関する情報が公開されておらず、その実態が不明瞭でもあります。持続可能性の確保に向け、ライフサイクルでの温室効果ガスの排出の動向や、木材利用の競合の状況を把握する観点からは、森林から発電所までの実態把握の仕組みが構築される必要があります。

2022年3月6日 3:39 PM

廃棄物処理業の脱炭素経営⑥「ウチの会社には関係ない」の間違い5

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 前回から続く、「ウチの会社には関係ない?」の間違い、についての続きです。
⑥地域に貢献できるのか?の続編で、輸入原材料の課題についてです。
 近年はバイオマス木質専焼、バイオマス石炭混焼の実例が近年増加しており、またFIT法に基づき、50MW、75MW、112MW 等の比較的大規模なバイオマス専焼プラントが数多くなり、大型になるに従い熱効率が30%台半ばと高まり必要燃料量が低減しております。また、これらの例では国産材に加え、輸入PKSや輸入木質ペレットを長期調達しているケースも増えております。しかし木質バイオマスの輸入も課題が多くあることも事実です。 
 2017年の段階で需要は1,400万トン強で、輸出国の1位はアメリカ(500万t)、2位はカナダ(220万t)、3位はベトナム(160万t)となっています。輸入国では、1位イギリス(680万t)、2位韓国(240万t)、3位デンマーク (230万t)、日本も50万tと5位となっています。2027年予想の世界需要は3,600万tとなり、1位イギリス(1050万t)、2位日本(900万t)、3位韓国(820万t)と、特に木質系バイオマス発電に補助金のある日本や韓国での需要増大にて、アメリカのペレット増加が見込ま
れています。アメリカやカナダ、ロシア、ベトナムをはじめとする東南アジア、オーストラリアなどからの輸出が急速に拡大する見込みです。アメリカでは世界最大の木質ペレット供給会社であるEnvivaが南東部で生産を行っていますが、原料の80%は全木を使ったもので、その半分以上が炭素貯留能力の高い湿地林から伐採されている旨を発表されています。同社は、2030年までに操業からの排出ネット・ゼロを達成するとの目標を提示しています。アメリカ産ペレットの多くを輸入しているイギリスDrax社は、自社の石炭火力発電所の燃料を木質バイオマスに転換することにより、年間10億ドル以上の補助金を受け取っています。カナダの木質ペレットはその約80%がブリティッシュコロンビア州から輸出されており、主たる輸出先はイギリスと日本ですが、パルプ産業や輸出用の燃料ペレット生産で温帯雨林が減少してもいます。ペレット需要の拡大により全木からのペレット生産が増えているため、グリーンカーボン貯留源が失われている上に、絶滅が危惧されているマウンテンカリブーの生息地や先住民族の生活圏が脅かされるなど、生物多様性や地域住民へもネガティブな影響にも及んでいるようです。一方EUでは、2018年に改正のEU再生可能エネルギー指令(EU RED2)により、森林由来の木質バイオマスについて、持続可能性基準への適合が義務化されました。①化石燃料使用時に比べて十分にGHGが削減されているのか(栽培・加工・輸送・燃焼の各プロセス及び発電プラントの効率も考慮に入れた基準値との比較)、②土地利用に関して、炭素蓄積を減少させず、生態系や生物多様性を維持し、持続可能な生産が行われているか、③原料について、記録を遡ることが可能で、正しい管理がなされているかのトレーサビリティがある等が盛り込まれています。固体バイオマスについてのGHG削減基準では、2021年以降稼働の発電施設を対象に、化石燃料比で70%の削減義務付されています。そして2021年7月14日、EUは2030年に温室効果ガス55%削減を実現するための政策パッケージ「Fit for 55」を公表。2030年の再生可能エネルギーの目標は、最終エネルギー消費ベースで40%に引き上げられ、排出権取引制度の対象業種拡大、国境炭素調整措置の導入、そして2035年までに新車の排出ゼロ化が示されました。2018年に改正された再生可能エネルギー指令(以下、REDⅡ)7月から完全施行を迎えるというタイミングで、早くも次の改定案(以下、REDⅢ)が示されたのです。改正案(RED3)にて、2025年以前に稼働した全ての施設にこの基準が適用されることになっており規制は段階的に厳しくなっています。森林からのバイオマス燃料の供給については、廃棄物ヒエラルキー4およびカスケード原則を考慮して、製材用・合板用丸太のエネルギー利用を支援してはならないとされました。・日本でも経産省にて、先行制度(EURED2)にならって、発電事業者等からライフサイクルGHG試算結果等を収集の上、更に検討を進めている現状でもあります。 
 近年の木材需要も需給バランスに影響が出ています。アメリカの住宅着工戸数(戸建て計)は、コロナ禍による在宅需要の増加と住宅ローンの低金利により、2020年5月から急増しています。また2021年3月に 173 万戸(年率換算)を記録し、同7月は、前月比▲7%減の 153 万戸となりました。2020 年末から、アメリカでの輸入急増とコロナ禍に伴う港湾処理能力の低下等により、北米にコンテナが滞留して、アジアでコンテナが不足。海上輸送運賃が急激に値上がり。本年7月は、欧州発が横ばいとなる一方、米国発は依然として上昇しています。EU では、コロナ禍により、昨年春に建設活動が急落したが、夏以降は回復して、以後は堅調に推移しており、中国では、木材需要の増加が継続。過去 10 年で、針葉樹丸太輸入量は 1.8 倍に増加。世界各地から、木材を買い集めています。 
 世界的にも木質チップの需要が増加のなかで、安定的に安価で国内材を活用できるならば、それを求めている事業者は多いものです。安価に安定的に国内材供給について、次回に続きます。

2022年2月23日 4:44 PM

廃棄物処理業の脱炭素経営⑤「ウチの会社には関係ない」の間違い4

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前回から続く、「ウチの会社には関係ない?」の間違い、についての続きです。
⑤地域に貢献できるのか?の続編で、コスト課題と取り組みの方向性についてです。
 バイオマス市場の国内展開ではFIT制度導入抜きでは語れません。日本では地球温暖化対策として再生可能エネルギー(再エネ)の普及を促進するため、2012年に固定価格買取制度(FIT)が導入されました。当初は電力の買取価格が高い太陽光発電の導入が加速度的に進んだのですが、買取価格が下がると、相対的に買取価格が高くなったバイオマス発電事業計画が増加していきました。

出典:資源エネルギー庁「持続可能な木質バイオマス発電 (2020/07/20)
・2017年の一般木質バイオマス発電における買取価格引き下げの直前には、駆け込み申請によりバイオマス発電全体の認定容量が前年の約3倍(1,241万kW)と急増
・その後、認定条件が厳格化されたこともあり、2020年9月時点での認定容量は822万kW(709か所)で、稼働済のバイオマス発電所の容量は244万kW(446か所)となる
・稼働容量の6割強、認定容量の9割弱が主に輸入バイオマスを燃料とするもので、アブラヤシ核殻(PKS)や木質ペレットの輸入が急増
 現状はFIT頼りが浮き彫りになっているのですが、その背景に調達価格の低減が進んでいないことに現れています。2020年7月の経産省データでは、FIT制度の定期報告データ(実績)によると、大規模一般木材等で23円/kwhで小規模未利用材は43円/kwh程度と記されています。更に同データ内において、未利用材(2000kw以下)の資本費平均値はは135.5万円/kwとなり、同規模と建築資材廃棄物対象を除く大規模型では平均値45.2万円/kwとなっており、運転維持費も前者(未利用材2000kw未満)の平均値が8.4万円/kw/年、後者で平均値4.9万円/kw/年と報告されております。燃料費となると未利用材2000kw未満の平均値が834円/GZ、2000KW以上1097円/GZ、一般木材831円/GZ、建設資材廃棄物315円/GZと報告されています。結果としてFIT制度に頼らざるを得なくなるわけですが、その国民負担額は2019年3.6兆円の内に0.4兆円がバイオマス発電となっております(太陽光は2.5兆円)。しかし2022年4月からは一定規模未満(10000KW未満)は、レジリエンス強化・エネルギー地産地消を目指し地域一体型にFIT適用となっていきます。地域一体型とは① 災害時に再エネ発電設備で発電された電気を活用することを、自治体の防災計画等に位置付け② 災害時に再エネ発電設備で産出された熱を活用することを、自治体の防災計画等に位置付け③ 自治体が自ら事業を実施するもの、又は自治体が事業に直接出資するもの、となります。現在も小規模の地産地消モデルは増えつつあり、森林組合や地域企業が自治体と組み、事業として成り立つ形を目指しております。
 木質バイオマスの安定供給と持続可能性の課題において、国内木質燃料の間伐材は「森林・林業基本計画」により利用に限りがあること、一般木材等・バイオマス液体燃料においては原料の7割以上がパーム油やPKSといった輸入材を活用しており国外への依存が顕著となっています。
 資源エネルギー庁にて木質バイオマス発電所の原価構成例(5700KW)として示されているものでは、燃料費68%、減価償却費11%、人件費6%、保守点検費9%、他とされており、圧倒的に燃料費の負担が重くなっています。その木質チップ製造費(tあたりの平均値)では、原料搬出費68%(3823円)、原料運搬費25%(2761円)、チップ加工費16%(1812円)、チップ運搬費25%(2793円)と報告されています。木質バイオマス発電は、よく「合わない」「儲からない」と表現されることが多かったのですが、それがこのコスト構造なのです。発電コストの7割が燃料費となると、初期投資の課題よりもランニングでの課題になっています。しかも、既に燃料材を収益としている林業者にとってはFIT制度が終了してしまうと事業の先行きが見えなくなってしまいます。
 燃料コストを低減させる為の課題として、先ず生産の課題があります。林業(及び林業政策)は、取り扱いが容易で建材など付加価値の高い用途で利用できる針葉樹の育成・管理・利用を主として展開されています。燃料用には間伐材・林地残材等建材用途などに利用できない木材の副次的利用が中心となっています。燃料用途の木材が副次的な位置づけであるために、建材需要動向に左右され供給量の見通しが立たないこと、針葉樹建材向けに形成された生産・輸送システムが燃料向けには過剰で非効率等の課題があります。結果、特に大規模発電事業者では、国内材に比べ1.5倍近い23000円/Tと高くても量が安定する輸入木材を活用ぜざるをえないようにもなっています。国内で活用可能な森林由来の木質バイオマス資源を如何に安定的に供給することは重要になっているのです。また生産面において、燃料品質の安定化も課題です。品質のばらつきは、バイオマス燃焼炉内の温度が安定しない為に、設備利用率が低下、また燃料品質を調整するための手間が発生したりといった問題につながっています。しかし現状はバイオマス燃料について、発電所が長期契約により燃料品質(水分量等)によらず一定の購入価格で取引されている場合が多くなっています。木材業者からしても、木材の搬出工程における天日干しによる乾燥や屋根付き保管場所の確保等燃料品質を向上の取組も見られています。しかし一方、現状は燃料品質を統一的に評価する仕組みが存在しないことから、木材業者の努力にも関わらず、市場において適正な評価を受けることは困難となっています。木質バイオマス証明ガイドラインでは、素材生産業者は、証明の連鎖の始まりとなる根拠書類と木質バイオマス由来証明書を、原則として輸送の都度、加工・流通業者に交付しています。 加工・流通業者は、川上からの証明書を確認の上、証明書を作成して川下の事業者に交付します。 証明書には、川上側の書類の添付までは求めていないが、必要に応じて伐採箇所までさかのぼれるよう書類整備が必要となっています。 しかし一方証明書がなければ、建設資材廃棄物と同じ区分となります。
 一方で大規模型では安定的な供給の為に輸入材の活用は大きく増えております。しかし、この輸入材にも課題が多く含まれております。
 長くなりましたので、次回に続きます。

2022年1月27日 9:16 AM

廃棄物処理業の脱炭素経営④「ウチの会社には関係ない」の間違い3

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前回から続く、「ウチの会社には関係ない?」の間違い、についての続きです。
⑤地域に貢献できるのか?
 廃棄物処理業は地域に貢献あってこそと思っています。地域のインフラを支える、エッセンシャルワーカーとしての役割を担ってきました。先ず地域にとって、貢献できたか、もっと地域に貢献にできないかと廃棄物処理業経営者の皆様は考えてきたと思います。
 脱炭素経営こそ地域密着となっていきます。全国の地方自治体はゼロカーボンを迫られており、2050年ゼロカーボン宣言自治体の数は2021年9月30日現在で40都道府県、278市、10特例区、114町、22村となり、表明自治体総人口約1億1157万人となっております。
 政府の「国・地方脱炭素実現会議」2021年6月に、2050年の脱炭素社会実現に向けた工程表をまとめ、今後5年間に政策を総動員し、人材や資金、技術、情報面から自治体を積極的に支援し、2030年度までに少なくとも100カ所の「脱炭素先行地域」をつくる方針を打ち出しました。地域の脱炭素工程表で、国は地域に根差した再生可能エネルギーの導入推進を重点対策に選定し、様々な支援メニューも用意しています。
 既に先行している地域では、企業と地域の有力企業と連携して、地域での地産地消電源の導入等民間活用の事例が多く見受けられます。各自治体ともに多く見受けられることは、民間活用の視点であり、地域に根差す為のゼロカーボン自治体となる為に連携を求めています。国主導だけでなく、各自治体が目指すべき形を模索しているなかで、民間の経営資源は必ず役に立っていくものとなることでしょう。脱炭素こそ各自治体を無視することは出来ず、むしろ地域貢献がビジネス性においても大いに役立つものとなっていきます。
 では具体的に、どのように地域に貢献しながらもビジネスとしても成り立たせていくのかとなった際に、先ず自社が位置する自治体の環境ビジョンを確認して欲しいと思います。先のゼロカーボンシティは勿論、具体的な戦略も構築が進んでいることでしょう。先ずは、そこでの自社の役割、そしてむしろ市町村にとっても脱炭素達成すべき提案をすべきなのが廃棄物処理業でもあると思っています。具体的に進んでいるテーマで代表的なものではバイオマス系があります。平成21年9月に施行されたバイオマス活用推進基本法(平成21年法律第52号)に基づき、平成28年9月に新たなバイオマス活用推進基本計画が閣議決定され、2025年における目標、バイオマス活用推進に関する施策の基本方針、技術開発の方向性等が定められました。都道府県及び市町村は、バイオマス活用推進基本計画等を勘案し、それぞれの地域のバイオマス活用推進計画の策定に努めることとされています。なお、バイオマス産業都市構想の認定を受けている市町村は、この構想をバイオマス活用推進計画として位置づけることができます。農林水産省の「バイオマス産業都市選定地域」では2021年7月現在で94市町村が選定されており、「木質バイオマス」「家畜排せつ物」「食品廃棄物」「下水汚泥の4分野」に分けられ、特に多いものが木質バイオマスとなっております。その中でもバイオガスを除く木質系を抽出するだけでも以下の地域が取り組んでおり、様々な地域の特色を活かしてビジネス性としてもモデルエリアも生まれております。 


 
 しかし一方で課題も多いことも確かです。1997年12月に京都で開催された地球温暖化防止京都会議(COP3)で採択され、2005年2月16日に発効した京都議定書では、バイオマス発電は二酸化炭素を新たに排出しないエネルギーとしての位置づけで、木や植物は光合成により二酸化炭素を吸収し酸素を排出することで、エ
ネルギーを取り出すために木材を燃焼しても、それまでに産出した酸素と相殺されるクリーンエネルギーとされてきました。火力発電に比べ、小規模の地域密着型が多く、更に地域活性として、地域での廃棄物活用等にて自治体でも取り組まれてきました。一方で課題はコストでもあり、そのバイオマス資源の運搬や管理コストからも大規模が難しく、結果としての発電量が小さくなる課題にもなっています。農林水産省ではH24/9に「バイオマス事業化戦略の木質系」として、以下を掲げてきました。
①出口戦略(需要の創出・拡大)
  ・固定価格買取制度の積極的な活用
  ・投資家・事業者の参入を促すバイオマス関連税制の推進
  ・各種クレジット制度の積極的活用による温室効果ガス削減の推進
  ・バイオマス活用施設の適切な立地と販路の確保
  ・高付加価値の製品の創出による事業化の推進
②入口戦略(原料調達)
  ・バイオマス活用と一体となった川上の農林業の体制整備(未利用間伐材等の効率的な収集・運搬システムの構築等)
  ・広く薄く存在するバイオマスの効率的な収集・運搬システム構築(バイオマス発電燃料の廃棄物該当性判断の際の輸送費取扱等の明確化等)
  ・ 高バイオマス量・易分解性等の資源用作物・植物の開発
  ・多様なバイオマス資源の混合利用と廃棄物系の徹底利用
③木質系の重点戦略
  ・FIT制度も活用しつつ、未利用間伐材等の効率的な収集・運搬システム構築と木質発電所等でのエネルギー利用を一体的・重点的に推進
  ・製材工場等残材、建設発生木材の製紙原料、ボード原料やエネルギー等への再生利用を推進
④総合支援戦略
  ・地域のバイオマスを活用したグリーン産業の創出と地域循環型エネルギーシステムの構築に向けたバイオマス産業都市の構築(バイオマスタウンの発展・高度化)
  ・原料生産から収集・運搬、製造・利用までの事業者の連携による事業化の取組を推進する制度の検討(農林漁業バイオ燃料法の見直し)
  ・プラント・エンジニアリングメーカーの事業運営の参画による事業化推進

 課題解決の為に、方向性を定め取り組んできましたが、やはり大きな課題はコストについてとなってきます。次回は、コスト課題と取り組みの方向性について、お伝えさせて頂きます。

2022年1月12日 4:37 PM

廃棄物処理業の脱炭素経営③「ウチの会社には関係ない」の間違い2

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前回から続く、「ウチの会社には関係ない?」の間違い、について続きです。

④収益に貢献するの?
 脱炭素経営こそ儲けなければなりません。儲からない脱炭素経営をしてはなりません。
 脱炭素経営においては、収益性に多くの方が疑問を持つと思います。工数や手間を踏まえてもコストアップであり、収益ではマイナスであるとも感じているのではないでしょうか。しかし前述の通り、マーケティング面での収益性向上のチャンスとともに、内部コスト削減も脱炭素経営にはあります。
 企業原価の中で業種の違いはあれど、エネルギーコストは無視できないものではあると思います。そのエネルギーコストを低減させることも、脱炭素経営には含まれております。
 再生可能エネルギー使用はコストアップかとなれば、必ずしもそうではないと言えます。電気の使用頻度や使用量に応じて、その効果は違いますがコストダウンの事例も多く生まれているのが事実です。
 SCOPE3の削減全般で考えても、自社エネルギーコストだけに留まらず、広くコスト削減は可能なものです。
 高度経済成長期において、大量生産大量消費での経済ではあったと思います。しかし脱炭素時代は適量生産適量消費となり、無駄が無くなる経済では確実にコストダウンにもなっていくものです。これまでの原価低減手法の考えに生産性や効率性での無駄排除ではありましたが、それに脱炭素が加わっていくことは間違いありません。その際にもコストダウン思考は変わりません。
 このように内的要素とマーケティング面での外的要素によって、脱炭素経営こそ儲かるものへとなっていくことでしょう。
⑤事業機会として廃棄物処理業も関係あるの?
 GXとしての事業機会は既に政府の方針にもある通りで、2020年12月に示された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」にも明記されています。報告書では「温暖化への対応を、経済成長の制約やコストとする時代は終わり、国際的にも、成長の時代ととらえる時代に突入したのである」という問題意識のもとで「経済と環境の好循環」を作っていく産業政策が、グリーン成長戦略である」と定義しています。「成長が期待される産業14分野において高い目標を設定し、あらゆる政策を総動員する」として、2030年経済効果で年140兆円、2050年290兆円となり、雇用創出850万人を目指していくものとなっております。成長が期待される産業として、1.エネルギー
(1)洋上風力・太陽光・地熱(2)水素・燃料アンモニア(3)次世代熱エネルギー(4)原子力 2.輸送・製造(5)自動車・蓄電池(6)半導体・情報通信(7)船舶 (8)物流・人流・土木インフラ(9)食料・農林水産(10)航空機(11)カーボンリサイクル・マテリアル 3.家庭・オフィス(12)住宅・建築物 次世代電力マネジメント(13)資源循環(14)ライフスタイルがあげられています。廃棄物処理業界にとっては、(13)の資源循環が当然気になりますが、リデュース、リユース、リサイクル、リニューアブルは勿論、廃棄物発電・熱利用、バイオガス利用がテーマとして挙げられております。リニューアブルに関しては、バイオマス化と再生利用材を中心に、化石資源由来のプラスチックの再生可能なバイオマスプラスチック・紙等への代替を推進しています。またグリーン購入法等により、化石資源由来のプラスチックからバイオマスプラスチックへの代替を促進されていきます。特に「バイオプラスチック導入ロードマップ」(2021 年1月策定)を踏まえ、バイオプラスチックの導入に当たっては、製品領域ごとの導入に適したバイオプラスチックに関する技術開発が進んでいくでしょう。リユース・リサイクルでは、「循環型社会形成推進基本法」及び同基本計画・各種リサイクル法等により取組を推進するとともに、グリーン購入法によりリサイクル製品の調達拡大を推進している。また、国内での再生利用に向けたリサイクル技術の実証、設備の導入補助を実施しています。焼却施設排ガス等の活用については、ごみ焼却施設において CCU プラントが既に稼働しており、加えて廃棄物の焼却・ガス化に伴う排ガス等からメタンやエタノール等を生成する実証事業も実施されています。
 事業機会によるビジネス拡大の可能性もあれば、逆にビジネスに影響を与えるマイナス要素もあるものです。大切なことは、この時流を知り、この両面での準備を進めていくことでもあると思います。是非、事業機会を上手く活用して頂ければと思います。

2021年12月8日 3:14 PM

廃棄物処理業の脱炭素経営②「「ウチの会社には関係ない」の間違い」

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①大手企業の取組?
日増しに「脱炭素」のキーワードが、企業の取り組みにおいても報道を賑わすことが増えてきました。国内企業でも目にする多くは世界的企業群であり、ESGの視点にて環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)への取り組みがクローズアップされ、廃棄物処理業の中堅中小企業では程遠いように思われているのではないでしょうか。先ずそれよりも、取り組むべき重要なことが多くあるとしている経営者も多いかもしれません。
先ず、認識頂きたいこととして、中堅・中小企業であっても取り組みが不可欠になっていくことです。
弊社創業者の舩井幸雄は、企業の3つの使命として、「社会性の追求」「教育性の追求」「収益性の追求」を唱えてきました。これは順番も重要であり、先ず「社会性」ありきであり、そして「教育性」を追求していけば、収益性がついてくるとするものです。原理原則であり、一方その社会性とは、当然時代とともに求められていくものも変化をしていきます。世の中の広く社会に貢献することは、各社皆様が日々の経営においても取り組まれていること
ではあると思いますが、その優先度を上げなければならないテーマが脱炭素です。
大き過ぎるテーマのように感じるかもしれませんが、社会性の追求として求められていることであり、全ての企業が取り組むべきテーマなのです。そしてその追求が、企業価値として必ず向上されていき、求められる企業へとなっていきます。だからこそ、更に選ばれる廃棄物処理業になりたい、の中堅・中小企業こそ脱炭素経営に取り組んで欲しいと思います。
②事業や商売に影響する?
 「脱炭素」の取り組みを進めはじめても、余計な工数や手間が増えていくイメージが強く、とてもそこまで手が回らないとも思ってしまうかもしれません。場合によってはISO14001での取り組みイメージが強く、認証取得を目的化したイベント的なものとなっており、経営の仕組みとして機能していないこともあると、余計に億劫になっていることもあるでしょう。どうしても企業力向上と一致しないように思え、目に見える効果を直ぐに求めようとしてしまいがちです。
脱炭素経営には、内部としての取り組みとともに、自社のマーケティング面にも存在しております。商品開発やサービス開発では、新たな経営軸にある「DX」とともに脚光を浴びている「GX(グリーントランスフォーメーション)」が、正にビジネスチャンスの視点です。加えて、既存顧客や新規顧客との出会いや差別化においても、サプライチェーンへの削減要請にもなるSCOPE3対応にて、選ばれるサプライヤーにならなければなりません。
SWOT分析で考えればシンプルであり、機会 (Opportunities)と脅威 (Threats) が自社の置かれた環境下において、表面化されているものと潜んでいるものがある筈です。
経営戦略において外部環境の変化は全ての企業に関係しており、これまでの戦略についても転換が避けられなくなっていきます。全ての企業の事業や商売だけでなく、経営全般に影響すると言っても良いでしょう。
③取り組みが社内組織に影響を及ぼすのか?
前述の通り、取り組みが社内と社員にとっての負担となることを懸念される経営者の方も多いと思われます。「また何かやらされる」「また仕事が増える」「儲からないことをする」とネガティブな意見を想定され、二の足を踏んでしまうこともあるかもしれません。しかしマイナスの意見やネガティブ発想を気にして、本当に良い企業になれるのでしょうか。「自社は、まだそのレベルなので」と肯定することは言い訳でしかならず、創業者舩井幸雄が唱えた成功の3条件「素直」「プラス発想」「勉強好き」のひとつである「プラス発想」とは程遠いものです。
 先ず自社のネガティブ思考に目をとられず、プラス発想の人達に目を当ててください。どのような企業でも組織でも必ず一人はいる筈です。経営者が先ず、最低1名としてその先頭にいます。いなければ継続をしていないからです。そして、他にもそのような素直・プラス発想・勉強好きの社員がいれば、もっとそのような社員が増えることを望んでいると思います。
 それが脱炭素経営です。
 働く価値として、スタートはマズローの欲求階層からも「生理的欲求」としてからとなることでしょう。食べる為に働かねばならない、所謂「生活の為」に働くとなっているでしょう。そして、「安全」「所属」「尊敬」「自己実現」と昇華していく際には、自らの自己実現が会社の自己実現と一体化していくタイミングが存在しています。社会の中で、他とは違う企業でありたい、価値ある存在として認められ求められる企業でありたい、その一員でいたいと、自己実現が会社の自己実現になっていくのです。ぞれを願う社員と一緒に会社を前に進めることが出来れば、どれだけ楽しいことでしょうか。目指したい会社に近付ける為にも脱炭素経営に取り組む必要があります。
 

2021年11月11日 3:31 PM

廃棄物処理業の脱炭素経営①「廃棄物処理業こそGXに取組まねばならない」

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 DXとGXが全ての企業にとって経営には不可欠となりつつあります。そのようになる未来とともに、既に2つの本取組を進めている企業は増えつつあり、その差が企業力としての差を大きくさせつつもあります。本ブログでもDXは多くお伝えしてきましたが、GX(グリーントランスフォーメーション)については、お伝えできておりませんでした。所謂「緑転」となるわけですが、温室効果ガスを発生させず最新技術にて転換させて産業構造や社会経済を変換させてていくものです。それはビジネスチャンスは勿論のこと、企業価値向上の為に、また企業の責任として脱炭素を軸とした経営転換を迫られています。 
 では、廃棄物処理業がGXを如何にビジネスチャンスとして活用していくべきかとなると、具体的な取組にクエスチョンマークがつく方も多いことと思われます。環境保全企業として常に地域と社会貢献に取組んでこられてきましたが、いざカーボンニュートラルや脱炭素のキーワードを聞いても、自らの企業活動とも遠いように感じているかもしれません。上場企業や大企業のゾーンであり、自社とは程遠いとも思っているのではないでしょうか。しかし廃棄物処理業こそ、GXに取組んでいかねばなりません。今から20年程前に環境ビジネスが注目を浴び始めた頃を思い出している方もいるかもしれませんが、あの当時よりもその潮流は深く広範囲へと、そしてライフサイクルにおいても導入期から成長期へと向かいつつあり、ビジネスチャンスとしては無視できないものへとなっております。そしてその転換点までが2050年近くまで続くことが想定されており、ポジショニングを創る数年間になっているのです。 
 廃棄物処理業は既に転換点を過ぎて時間も経ております。思いかえしてみると、3Rを謳っていた時には、それが出来ていなかったからでもあるのです。しかし、リサイクルもリユースも進み、リデュースは当たり前のように取り組まれて10年以上も経ています。ライフサイクルで言えば、過去の大量生産大量消費の後始末をつけてきた成長期から、人々の意識が変わることで発生抑制が進むことで転換点を過ぎていきました。マクロ的にも産業廃棄物の減少量から見れば、その結果は一目瞭然でもあります。業界内でもトップ企業群の合従連衡も進み、各種の層が明確に分かれつつあります。本業を続けていきながらも、新たな軸の準備は不可欠となっており、そのトップ層でさえも取組スピードが加速していることを感じます。第二本業が迫られているのは、いかなる業界でも同じことではあるのですが、経営資源の有効化からは、その上流と下流もしくはその横の市場であることが望ましいのですが、加えてブルーオーシャン且つ伸びていく市場でなければなりません。だからこそ、GXについては無視できない市場でもあり、そして自社が勝ちにいけるポジション参入は不可欠でもあるのです。 
 GXは流行りだから取組むのではなく、廃棄物処理業こそ絶対に取組むテーマであると思っています。一方、廃棄物処理業がGXへの取組むに当たっては、市場環境と今後の動向を冷静に見極めていかねばなりません。脱炭素の市場環境と動向とともに、自社の経営資源を活かせる戦略を持たねばなりません。 
 先ず一つ目に自社としての脱炭素経営、そしてビジネスとしてのGXと分けて考えていきたいと思います。 
 今回、おさえて頂きたいことは、廃棄物処理業はGXのど真ん中にいて、そしてそれを今後の廃棄物処理業経営に活かしていかねばならないことです。決して遠い話ではなく、直ぐ目の前にいる潮流であることを再度認識して頂ければと思います。