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丸の内で働く産廃マンこと、株式会社船井総合研究所 廃棄物ビジネスコンサルティンググループ グループマネージャーの貴船です。日常のコンサルティングを通して、そこはかとなく記していきます!

2024年8月27日 8:54 AM

廃棄物処理業の事業可能性調査(Feasibility Study)①

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 この7年程度は、新規中間処理施設についての事業可能性調査、所謂FS(Feasibility Study)業務が多かったと思います。私が廃棄物処理業のコンサルティングに携わり出したのは2001年ですが、この23年を振り返ってみても案件が多かったと感じます。 
装置産業でもあり、また許可業として、規模の成長においては新施設をつくることが不可欠でもあります。それ故に、次の施設検討において事業可能性調査を進めるということは当然のことでもあり、またそれが必要な大規模投資であったということにもなります。それが増えていた、この数年は成長意欲の高い廃棄物処理業が増えていた結果と見ても良いでしょう。
しかし一方で、二極化が進んでいることも間違いありません。特に上位100社の顔触れと数値の推移を見ていても、その傾向が顕著です。2018年2019年と一時期的な発生量増加があったものの、コロナ禍を経ての廃棄物減少からも絶対量が減っており、上位層が施設の拡充やM&Aを進めるなかで、中堅以下の層は鈍化していることは想定されます。そして、この7年程の投資計画から実行に移した企業の設置許可が下りるタイミングからは、これから数年も更にその動きが加速されることでしょう。
この数年の事業可能性調査においての論点も、当然そこにあります。廃棄物の絶対量が減少していくなかで、新たな施設が出来てもモノが集まるのか?これは疑念を持って当然のことと思います。需給バランスで考えれば既に国内全体では充足しており、エリア限定ではプラスマイナスがあっても、不足の為の施設で無ければ、誰かが請けているものを奪うこととなってしまいます。奪うとなれば、価格が下がる恐れも多分にある為に、営業戦略も含めた事業可能性調査が重要にもなっていきます。
過去15~20年近く前は、設置許可さえ下りれば儲かることが出来た施設種別もありました。しかし時代は変わり、施設充足の今は何の施設をつくることで、どのような顧客から、この価格帯で安定的に確保が出来る等の確度が必要となって参りました。事業計画が綺麗にできた作文ではなく、戦略的発想、マーケティング発想が必要となっております。勿論、計画についての初期段階は不確実性で止む無しと思います。しかし、その確率が10%なのか50%なのかで捉え方も変わると思います。
 それが本来の事業可能性調査であると思っています。勿論、集める力だけではありません。オペレーション、つまりそれを成し遂げる体制を構築できるかも重要なテーマとなっていきます。リサイクル技術が発展している新規手法ならば技術的要素も大きいのですが、既に確立した事業の際はソフト面の妥当性が多くを占めていきます。
 事業可能性調査を如何に捉えていくか、更に次回以降へ細分化していきたいと思います。