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丸の内で働く産廃マンこと、株式会社船井総合研究所 廃棄物ビジネスコンサルティンググループ グループマネージャーの貴船です。日常のコンサルティングを通して、そこはかとなく記していきます!

2024年4月22日 1:40 PM

廃棄物処理業の2024年問題⑥

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 廃棄物処理業の2024年問題につきまして。前回のドライバー技量に続き、今回は二次処理先についての課題です。

中間処理場としては、あくまで減容であることからも、最終処分や二次処理への出荷が発生致します。リサイクルとしての出荷も同様に存在します。可能な限り近場への出荷を皆が願っていても、管理型や安定型最終処分場の価格と受入基準によっては、遠方にならざるを得ないことが多くなるものです。更に処理困難物となると、数百キロの運搬が変わらず続いています。つまり、その長距離運搬を、これまで社員が担っていたわけですが、これも止めるタイミングになっているのかもしれません。冗談のような話ですが、それを担うドライバー間ではドル箱路線とまで言われることがあります。その捉え方には様々あると思いますが、言う人にとっては楽ということです。運転を苦にしない人にとっては、長時間であっても高速移動もそこまで辛くないとも言われます。ハンドル握っているだけと自虐的に言う人もいますが、日常の手積や作業があることと比較した場合に、比べると楽だということでした。勿論、その全ての言葉が正しいわけではなく、責任感や体力でもたいへんだと思います。しかし廃棄物処理業の2024年問題としては、この課題について見直しの時が来ていると思います。

課題は機会の損失です。インターバル勤務を考えると連続走行が、そもそも出来ない状況となっております。片道8時間以上の距離になってくると、2人制もしくはドライバー交替も考えざるを得なくなっていきます。しかし、それ以上に勿体無いことは、社員がすべき重要な業務、レベルの高い業務が失われることではないでしょうか。大事な顧客、また顧客とのコミュニケーションげ必要なもの、また待たせている運搬の顧客対応も出来たのではないでしょうか。労働者人口推移からもドライバー不足は今後も暫く続き、劇的な変化は望めません。そのような時代においての適材適所とは、有効な人員配置でもあり、それが最大の生産性を生み出せるか否かにもなっていくことでしょう。そうなれば、自社のドライバーで全て完結することが表面的な採算性でよく見えていても、それによって失われた機会にて比較すると、決して良かったとは見えてこなくなってきます。二次処理には、それを得意とする会社に任せていくことも必要な判断にもなっていく筈です。
 
 今後の二次処理運搬や最終処分場運搬につきまして、失われた機会の視点で見極めていって欲しいと思います。