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丸の内で働く産廃マンこと、株式会社船井総合研究所 廃棄物ビジネスコンサルティンググループ グループマネージャーの貴船です。日常のコンサルティングを通して、そこはかとなく記していきます!

2024年5月27日 11:56 AM

廃棄物処理業の2024年問題⑦

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 廃棄物処理業の2024年問題につきまして、今回は「配車マンのスキル」となります。

先ず、配車担当者の課題は尽きず、過去から解決できていないと言っても良いでしょう。
ひと昔前は、「収まればOK」的にオーダーをこなすことが重要視されてきました。儲かっていた時代は、それが良い配車マンにもなっていたものです。ただ、そのぶんメンタル不調に陥る人も多く見られました。多少でも強引に配車を組んで、ドライバーを言い聞かせることも必要とされました。しかし負担が偏ることや、仕事に追われることについて文句や反論する人もいて、それを受け続けることもつらいものです。特に、元は同じドライバーであることが多く、それまでの仲間感から外れたようにも感じやすくなってしまいます。更に顧客との直接のやりとりがある場合、また営業や上層部との要望について間も挟まれることもあれば、また台数が少ない会社では走りながら配車もすることがありますので、それも尚更のことだったと思います。つまり資質としてメンタル面が重要視されたのが、これまでの配車マンだったわけです。しかし一方、本来求めなければいけない資質が、曖昧なものとなっていました。それが配車効率性です。
配車の目的は顧客からの注文を捌くことではなく、収益性の最大化でもあります。その収益性の最大化には、車輛という資産について最大化した稼働と、運送による原価を1円でも下げることでもあります。
 つい忘れがちになるのですが、処理施設同様に投下資本から幾らの収益を生み出すかが問われる一種の装置産業でもあります。装置産業は全て、常に稼働最大化を目指しており、製造業などでは大きく停止の「ドカ停」の防止だけでなく、小さな停止の「チョコ停」を求めています。これを車輛に置き換えた場合、如何でしょうか。先ず、物流業との違いがこの稼働率であり、車輛数よりも人員数が多い物流業と違い、廃棄物処理業では車輛の方が多いことも散見されます。結果、稼働率を総台数から見ていくと50%を超えるようなことでさえもありません。24時間のなかで、せいぜい8~16時間程度しか動かせないこともあり、その時点で半分になってしまうことも理由のひとつです。しかし、それ以上に余分に仕事の種類にて稼働が少ない車輛も必要とすることや、使い勝手の悪い車輛が残っていることもあります。特に老朽化した車両では修繕費ばかりが増えていっており、更に使わなくなっていることも多いものです。
原価を1円でも下げることについて、これは配車マンが最大限目指すものにもなります。過去からの歴史によって、また営業が受注してきたものでは不採算のものもあります。走るだけで赤字となるものがあり、これは配車マンの責任ではありません。しかし全ての顧客の1件の仕事において、原価を下げられる力量こそ配車マンの能力だと思います。その為にルートを組むことや、顧客との調整をすること、またドライバー力量の見極めもあるでしょう。ただこれは、可視化しなければ判断ができません。頑張っている、結果オーライ型では、いつまで経っても成果は不明のままでしょう。最近ではDXにて運搬データも簡単に取れることも増えていますが、まだまだ上手く活用できていないようにも感じます。KPI化が正しくない場合もあれば、また数値自体にエラーがあることもあります。これでは配車マンが幾ら頑張っていても報われません。可能な限り最短で、その効率性を見極めることが出来るようになること、少なくとも翌日朝には判断が出来るようになることで、必ず運搬効率は改善されます。
 配車マンのスキルが、今後更に重要性を増すなかで、是非その可視化追求には取り組んで頂ければと存じます。