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丸の内で働く産廃マンこと、株式会社船井総合研究所 廃棄物ビジネスコンサルティンググループ グループマネージャーの貴船です。日常のコンサルティングを通して、そこはかとなく記していきます!

2024年7月29日 9:04 AM

廃棄物処理業の2024年問題⑨(最終回)

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廃棄物処理業の2024年問題の最終回となります。

廃棄物処理業にとって、ドライバー不足となってから、それなりの年数が経っています。2024年問題と言われても、皆様にとって今更感があるのでは無いでしょうか。ドライバー募集をすると直ぐに2桁が集まるような人余りと言われた時代もあったのですが、既にそのような時代は来ないことを皆が認識しています。そもそも、ドライバーになりたいと思うような人達の母数が減少しています。過去に稼げることや、車好き運転好きとのことで働いてきた動脈物流でさえも、とうの昔に不人気となっています。稼げない、肉体労働が嫌、そもそも車を運転することもリスク等とも捉えられており、加えて若年層の減少が続いていくことは出生数からも明確となっております。
ならば、2024年問題だけでなく、廃棄物処理業は収集運搬を如何に捉えていくべきなのでしょうか。ポイントは、人を集められる会社になることです。むしろ、人が集まらない会社の永続性はありません。社員が定着しない会社は、当然採用できない会社になっていくのです。働く人にとって魅力のある会社になること、賃金レベルは勿論ですが、また労働バランスも適正であり、何よりも会社のことが好きになっていることです。先ずはその労働条件でもあるのですが、それだけではある一定レベルにて限界があります。しかし会社好きだけは、自社の努力だけで伸ばし続けることが可能です。
労働条件を一定レベルまで引き上げるには、儲からない業務を止めることです。採算レベルを厳格化していき、限りある人の資源を有効化していかなければ儲からず、そしてドライバーへの還元も出来なくなってしまいます。そして負荷が大きい業務も同様で、いくら儲かっていても永続性の無いものにもなっていきます。儲かる仕事を見極めていくことが、ドライバーファーストにもなっていくようになります。
そして会社好きについては、これまでも多くお伝えさせて頂きましたが、何かをやれば直ぐに出来ることではなく、全ての積み重ねとなっていきます。特効薬は無いものの、一方で枝葉のような福利厚生的なものから進むことはなく、幹の部分にフォーカスを当てて欲しいと思います。この会社で働き続けたい、尊敬できる仲間ばかりである、仕事も楽しい、社長が好き、会社のビジョンが好きで一緒に成し遂げたい。このような感情になれれば、当然会社が好きになっていきます。更に多様性は拡がっており、様々な価値観の人達が増えてくることは間違いもなく、その多様性を受け容れられる器も重要になっていくことでしょう。残業は嫌で定時で帰りたい、逆に残業してでも稼ぎたい、慣れた仕事から離れたくない、逆に変化のある仕事をしていきたい、管理者にはなりたくないと様々な考えのなかで、戦力化の考えを柔軟にしていく必要だってあります。
収集運搬は無くなりません。サーキュラーエコノミー時代になっても、運ぶことはインフラとして必要としており、今後も重要な役割を担うことになるでしょう。そのなかで廃棄物処理業の永続性について重要なミッションは、人が入る会社になることだと思っております。是非、会社好きへの取組みを進めて頂ければと思います。

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