久々の産廃セミナーでした。
今回は、脱産廃業とも言えるべき、処理業からの脱却が裏テーマであったと言って良いでしょう。
すでにこれまでのブログやコラムでもご紹介してきましたが、産廃業の将来は産業廃棄物処理業から産業廃棄物削減業にならなければならないと思っています。
産業は低迷し、この先も急激なモノ作りの伸長と住宅や公共建設などは、人口推移からも有り得なくなっています。それ故、産廃においても既存のパイの減少を補う為に、奪い合いは避けられない状況です。結果、価格の下落は避けられないことであり、既存の処理業だけでの利益幅も減少の一途でしょう。
だから業態を変えなければなりません。自社本位から顧客本位へ。真の顧客本位とは、顧客が喜ぶことに対応をしていくことで、自社ができることをゴリ押しすることではありません。勝ち組企業となる顧客側は、リサイクルは当たり前となり、コンプライアンスは当然のこととなりつつあります。もちろん、そうでない企業は負け組み企業が多いことも確かです。勝ち組と言われる成長企業は、次に削減を目指します。もちろんこれまでも取組んできましたが、まだまだ改善活動同様に永遠の課題となっており、削減に終わりなく、提案を待っております。そのときに削減提案が自社施設利用だけでは、恐らく顧客も喜んでくれないのではないでしょうか。顧客の側に立って、もっともベストな選択肢を提案してあげることが、真の顧客本位となるのではないでしょうか。
一方で既存顧客の場合は、自社売上を下げる提案をしなければなりません。自社のやり方が顧客にとってベストでない場合は、自社以外の施設を使うことだって提案しなければならないのです。非常に残念で恐ろしいことではありますが、しかし自社がやらなければ他社がその提案をしてくる日もやってくるでしょう。その時に改めて提案してでは遅く、信頼関係を失いかねません。つまり削減提案は、今後の産廃業の戦い方としては避けられない戦いになっていくのでしょう。
今年も産業廃棄物業界にとって、新たな局面に突入してきました。
是非、勇気を持って業態転換に取組んで欲しいと思います。
- 2010年6月21日「廃棄物処理業の事業可能性調査(Feasibility Study)②」
- 2010年6月21日「廃棄物処理業の事業可能性調査(Feasibility Study)①」
- 2010年6月21日「廃棄物処理業の2024年問題⑨(最終回)」
- 2010年6月21日「廃棄物処理業の2024年問題⑧」
- 2010年6月21日「廃棄物処理業の2024年問題⑦」