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丸の内で働く産廃マンこと、株式会社船井総合研究所 廃棄物ビジネスコンサルティンググループ グループマネージャーの貴船です。日常のコンサルティングを通して、そこはかとなく記していきます!

2021年10月5日 6:34 PM

収集運搬のDX化⑥「収集運搬のKPIと見える化」

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 前回から続く、収集運搬のDX化についてです。今回は「収集運搬のKPIと見える化」となります。 

 収集運搬の効率化を図りたい方にとって、何をKPI(Key Performance Indicator)化すべきかは考えてきたことだと思います。  
 過去から数値化は課題ではあったのですが、デジタコやドラレコ、そして各種端末の導入にて数値が取れるようにもなってきました。しかし、その数値が活かされていないことが散見されます。数値化は進んでいるものの、日常に忙殺されて改善が進んでいないことは多いのではないでしょうか。
以前の当ブログ(2020年3月1日「収集運搬費の改善について2」)でもお伝えさせて頂きました通り、先ずは時間当りの原単位を押さえて欲しいと思います。時間当り原価の感覚を持ち、時間当り粗利の月次と顧客別のチェックが必要となっていきます。この数値を分析していきながら、何を変えていくべきかを見つけ、更に言えば配車マンの通信簿にもなっていくと思います。数値の可視化は必ず効果を生み出すもので、今までの曖昧さから脱することで改善は進むものです。しかし一方、各社で展開をしていると現場からは、この数値反映や分析に莫大な時間と工数が掛かり、堪らないとの声もありました。効率化の為に進めていることなのに、それが別の業務として負荷が掛かると本末転倒にもなりかねません。その為にもDX化させる必要があるのでしょう。
 この改善には、RPA(Robotic Process Automation)とBIツール(Business Intelligence tools)を上手く組み合わせて頂くことをお薦めします。BIツールについては、各社も導入が始まっていますが、まだまだ現状のシステムから引っ張ってくるケースが多いように思います。または本来押さえるべきKPI数値でないものが引っ張られており、見てくれは格好良いものの、そこから導かれるものが解決されていないことも見られます。BIはツールであるのに、目的化している際に生まれてしまうことなのでしょう。またKPIは重要業績評価指標の筈なのに、それが間違ったKPIになっていれば、結果は生み出されません。収集運搬でのKPIを経営者がリアルタイムで押さえる為に、どのように可視化させるBIとなって貰えればと思います。そうなると経営側と配車マンや運搬部門の責任者では、おさえるべき視点も変わっていくことにもなっていきます。
 経営側として、要は「儲かっているか」です。正直不効率に見えることも多く、夕方に遊んでいる社員を見ると過去に比べた違和感しか感じないものです。収集運搬の独立採算を実施しているならば問題無いのですが、それが見えていなければ収集運搬の非効率化を疑ってしまうかもしれません。各人の細かい稼働状況については不要です。今日の回収は儲かっているのか?今月の累計は?昨年に比べ、5年前に比べて儲かっているのか?その欲しい数値がBI化される数値となっていきます。しかし一廃の月極やハウスメーカーの㎡単価では、リアルタイムでの採算性の可視化ができません。だからこそ先ずは大きな視点での原単位確認となります。毎日見ていくことで、必ず数値は答を導くものです。
 配車担当も同様に原単位を毎日見るべきです。しかしそれは短期的な安心でしかならず、やはり月次で最終的に見ていくべきでしょう。配車を調整した結果は一日で見ることは出来ず、その積み重ねを見るべきとも思います。
 しかし、この原単位確認に時間を取られていてはなりません。その為のRPA活用にもなっていきます。ドラレコデータやデジタコデータをスプレッドシート等に入れれば、後はRPAに任せることが出来れば良いだけとなります。この程度のRPAは簡単に出来ますので、是非取り組んで欲しいと思います。RPAについては難しく考えがちですが、触れてみると簡単なことに気付きます。これまでシステム会社にプログラミングを依頼して、そこそこの費用が掛かったものが、驚くほどの安価で組み立てることができます。そしてこのRPA活用にて抽出されたデータを同様にBIにて確認できれば、直ぐに課題発見と取組確認も早まる筈です。 
 繰り返しますが、RPAやBIはツールです。大切なことは必要となるKPIであり、そこから答を導き改善を進めることが目的です。しかし、それに時間を掛けていてはデジタルによる効率化と逆方向に向いてしまいます。その為のRPA活用でもあるのです。上手くデジタルツールを活用して、収集運搬の効率化を目指して欲しいと思います。

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