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丸の内で働く産廃マンこと、株式会社船井総合研究所 廃棄物ビジネスコンサルティンググループ グループマネージャーの貴船です。日常のコンサルティングを通して、そこはかとなく記していきます!

2022年6月24日 7:17 PM

ブログ特別編「廃棄物・資源・浄化槽ビジネス経営研究会」6月例会の振り返りレポート【抜粋】

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前回は4月開催の研究会振り返りレポートでしたが、今回は6月例会についてです。6月は弊社、株式会社船井総合研究所の「第95回経営戦略セミナー 経営研究会全国大会2022(https://conference.funaisoken.co.jp/)」の分科会としての開催となりました。一昨年からリモートでの開催となりましたが、延べ3日間に渡り現役経営者のための現役経営者による戦略提言を目指し、153分科会に分かれて開催されました。今回のテーマ「Re GROWTH -再挑戦-閉塞感を打ち破れ」として、多様なゲスト講師の方々が揃い、5000人を超える会員企業の経営者が一同に会す船井総合研究所を代表する伝統的なイベントとなっております。中堅・中小企業、特に地域で活躍する経営者に主眼を置いて、「時流」と「未来予測」から、向こう3~5年を見越して、中長期の課題解決やテーマをお伝えし、高いモチベーションを抱いていただけることを目指しております。
 それ故に分科会においても時流を踏まえたテーマと提言にて、廃棄物処理業、再生資源業、浄化槽業の皆様に、お届けしてきました。今回のテーマは、脱炭素への取組です。
 インフレ型になっている昨今、脱炭素は自社に遠く感じる廃棄物処理業経営者の方も多いことと存じます。しかし、脱炭素への取組が、その打開策となり、自社の成長戦略についての鍵になっていきます。
 マーケティングとして、時流適応経営は弊社創業者の船井幸雄も多く伝えてきました。いま目の前だけでなく、来るべき時流を見据えて経営と戦略を考える必要があります。中期的に見れば、世界的に脱炭素は避けられない状況であり、導入期から成長期に移行している現在はビジネスチャンスのど真ん中でもあります。今回の例会でもビジネスチャンスの活かし方をお伝えしてきましたが、自社でのスタートするポイントにつきまして、改めてお伝え致します。
 先ずメリットとして、
①脱炭素経営こそ中堅・中小企業のビジネスチャンス
②脱炭素経営は儲からなければいけない
③脱炭素経営が組織を強くする
④脱炭素経営こそマーケティングを意識しなければならない
⑤脱炭素経営こそ地域貢献となる
⑥脱炭素経営が企業ビジョンとなる
となっていきます。
 しかし具体的な取組として、①マーケティング②コスト削減へとなっていきます。その際に時流として押さえていきたいことが、SCOPE3の対応となっていきます。ご承知の通り、プライム上場企業はTCFDへの取組を進め、SCOPE3の削減計画を進めております。そこに廃棄物が存在しております。
 SCOPE3の対応を説明する前に、ここで改めてCO2排出量につきまして、お伝え致します。
 排出量算定には、国際的な温室効果ガス排出量の算定・報告の基準である「温室効果ガスプロトコル(GHGプロトコル)イニシアティブ(The Greenhouse Gas Protocol Initiative)」の中で設けられている排出量の区分となるSCOPE別に算定をしなければなりません。GHGプロトコルは、1998年に世界環境経済人評議会と世界資源研究所によって設立され、事業者、NGO、政府機関といった複数の利害関係者の協力によって作成され、GHG排出量の算定と報告に関する情報元として提供されています。GHGプロトコルでは、1つの企業で排出されたGHG排出量(直接排出)だけではなくサプライチェーン(原材料や部品の調達・製造といった上流の過程から、販売や廃棄などの下流の過程を含めた供給の連鎖)での排出量(間接排出)も重視しており、Scopeという考え方を使用し、Scope1排出量(事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス))+Scope2排出量(他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出)+Scope3排出量(Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出))をサプライチェーン排出量としています。

出典:環境省 グリーン・バリューチェーンプラットフォーム

 SCOPE3は該当する活動が15のカテゴリに分類されます。
SCOPE3カテゴリー

 こちらの5「事業から出る廃棄物」、12「販売した製品の廃棄」に輸送と処理とのCO2排出量が算定されていくわけです。そうなると廃棄物処理業にとっては、運搬と処理について、如何に脱炭素化すべきかを考える必要が出てきます。収集運搬ならば、当然頻度を減らすことと積載効率、そして遠方への運搬を減らすことが求められていきます。処理も当然、CO2を出さない処理を目指す必要が出てくるわけです。  
 廃棄物処理業も脱炭素の、ど真ん中に入っていく未来が待っております。顧客から求められることを想定していき、自社での取組は進める必要があります。