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丸の内で働く産廃マンこと、株式会社船井総合研究所 廃棄物ビジネスコンサルティンググループ グループマネージャーの貴船です。日常のコンサルティングを通して、そこはかとなく記していきます!

2024年3月25日 7:51 AM

廃棄物処理業の2024年問題⑤

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 これまでの早出、稼働日の課題に続いて、今回はドライバー技量の問題です。
先ずドライバーの生産性が出来る人と出来ない人で2倍になることはございません。これは製造業でも同様ですが、物理的制限がある業務は当然とも言えることです。道路事情、客先事情、積込時間等々と標準化を固定できない要素が多く含まれております。勿論、コツや効率での工夫は差があるものの、それはむしろベテランだから備わるものではなく、その人の持つ能力に左右されます。しかし1.2~1.3倍倍はあっても1.5倍迄に平均との差がつくことは難しいでしょう。 
しかし2024年問題での課題は、出来ない人や任せられる業務が少ない人と、先のように効率的に動ける人との差の問題です。この差について何かしらの答を会社が持っていないと、出来る人出来ない人にとっても会社にとっても不幸だと思います。出来る人にとっては同じ1時間や1日でもあり、もし評価が同じならば不平等を感じるのではないでしょうか。真面目に効率を追求していくことが馬鹿らしくなっていくことも考えられます。出来ない人には単純なルートや顧客や業務でしか渡せられず、また乗れる車輛も限定されてしまいます。しかし出来る人には、困難な業務を渡していくことが多くあります。任せられる信用に頼ってしまうことでは当然ではないでしょうか。特に失敗で終わらせることが出来ず、顧客に迷惑が掛かるリスクを考えると判断はそうせざるを得ません。 
ここで先ず必要なことはドライバーへの適正な評価となるでしょう。ドライバー不足の時流下において、最終戦は採用推進ではなく、離脱防止です。特に優秀なドライバーが抜けることは最も避けたいことではないでしょうか。だからこそ生産性の可視化や技量による業務遂行も評価していく必要があるのです。免許の種類も同様です。最近の支援先での傾向にて、若年層が大型免許の取得について及び腰になるケースが散見されます。手当があっても、免許取得補助があっても同様で、そこに価値を感じていないわけです。むしろリスクが大きくなることを嫌い、幅を拡げることを避けてしまっています。ユニックでも同様であり、たいへんなことをしたくないとも思っているようです。だからこそ、明確な評価が必要となっているのでしょう。 
そのような新規ドライバーに、技量をつけさせていき、一人前の仕事をして貰いたいとなっても進まないことが多くなります。そもそも成長意欲が無いなかでの教育は、空回りになりがちです。目的の無い勉強は習熟度が上がらず、その目的と教育が連動して初めて機能していくことでしょう。つまり未熟なドライバーの技量を上げるには、先ず徹底した動機付けが必要となっていきます。働く人達の目的も多様化するなかで、お金優先だけでなく時間優先の考えは今後も増えていきます。そこで一方的に根性論や精神論を振りかざすのではなく、適正な評価を遣って動機付けをして貰いたいと思います。
 また、ひとつ妨げになっているのは、古い感覚でもあります。ドライバーは皆稼ぎたい、大型に乗れると喜ぶだろう、免許は一生もの等での自己の体験を押し過ぎず、多様性受入からがスタートでもあります。根性のあるドライバーが欲しい、気合の入ったドライバーを求めても、そのような人は今の会社も辞めず、出会えなと思って頂くことも大切でしょう。